静岡県浜松市でスポーツメンタルコーチングをしています喜納将克です。
今回のテーマは『思考を自分の考えだと思っていませんか?』です。
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本ブログは、育成年代のアスリートやご両親に読んでいただきたい内容です。今回は『思考にとらわれすぎないでね』というメッセージを伝えるために、思考について深掘りしてみました。本当の【自分の考え】というのは、思考にあるのではありません。思考というのはただの考えであり、思考を価値判断(ジャッジ)することで思考に意味が生まれます。この価値判断のところに本当の自分の考えがあります。ただ、自分の価値判断を知るには時間がかかるので、アスリートには呼吸法や瞑想をすることで思考から1歩引く方法をお伝えしています。
※ブログの感想や質問をいただけると励みになります。皆様のコメントお持ちしております。
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思考=自分?
今回は思考について深掘りしていきます。
毎日皆さんは、常に何かしら考えていますよね?頭に思い浮かぶ言葉やイメージ、自分との対話は全て思考になります。
人は1日に何万回も思考をしています。それは現在のことだけでなく、過去や未来のことも人間は考えることができます。地球上の動物で過去や未来を考えられるのは、人間だけの特殊能力です。未来のことを考えて行動し、その理想の未来を実現するために努力をする。そうした結果が、この世の中にはたくさん溢れていて、目に映るほぼ全てのものが先人達が作り上げてきた努力の結晶です。
それだけ【考える力=思考】というのは偉大で、素晴らしい能力になります。
コーチングの技法も、思考の力(言葉やイメージ)を最大限使って、理想の未来を創り上げるための道具になります。
思考という素晴らしい能力を皆さんは持っているのですが、時に思考にとらわれ過ぎてしまって悩んでしまうことがあります。
思考は雲のようで、パッと浮かんでは形を変え、流れていくものです。しかし、そうとは知らずに思考自体を自分自身と思い込んでしまう人もいらっしゃいます。「メンタルが弱い」「本番に弱い」「自信が持てない」もその一つです。
誰かに言われた一言や自分で考えた言葉であっても、一旦その言葉を信じてしまったら、「メンタルが弱い」=自分というセルフイメージになってしまい、そのイメージにあった経験や出来事を引き寄せてしまいます。
僕も起業する時、色々な不安を感じていました。
その不安から、「俺にコーチングができるのか?」「起業して食べていけるのか?」という疑問をずっとずっと考えていました。
そんな時、NLPのコーチングセミナーに参加してセッションを受けた時に気づいたんです。
自分には色々な役割があって、父親、夫、理学療法士(トレーナー)、長男、沖縄出身など、その役割から考えた思考なんだと。その役割を全部取っ払って、自由に人生を決められる何者でもない一人の人間になった時に、「別に稼げなくてもコーチングで人の役に立ちたい!」という本当の想いが出てきました。
つまり、今まで自分が経験してきた役割や人間関係に縛られた思考に、自分自身が苦しめられていたことに初めて気づいたんです。
不安は自分が勝手に作っていたんだと、ハッとさせられました。この時の感覚は、「思考=自分の考え」だと思っていたのに、実は違っていたんだと気づいた感覚です。その時から、思考から1歩引いて考えられるようになりました。
特に、ネガティブな思考が浮かんだ時には、「本当にそう?他に手段はない?」と思考から1歩引いて、考える手段を持てるようになりました。だから、みなさんにもそれを知って欲しいんです。「メンタルが弱い」「本番に弱い」「自信が持てない」という考えは、あなたの本当の考えとは違います。『思考=自分の考え」ではないことを知っておいてくださいね!
思考・感情をジャッジしている無意識の部分
心の領域というのは思考・感情・行動という3つの側面があると説明されます。
ただ、それは表面上に出てくる他人が捉えることができる側面です。
心の領域の奥底には、人が意識できない無意識の部分が大半を占めると言われています。
実は、この無意識の部分(潜在意識)が思考や感情に大きな影響を与えていたり、本当の自分の考えが存在しているところでもあります。コーチングや心理学の分野では、この無意識の部分を掘り下げて本当の自分に気づいていくということが盛んに言われています。
ただ、私がまずアスリートに伝えたいことは、もっと入り口の『思考に捉われない方法』です。
先ほども言ったように思考は雲のようで、パッと浮かんでは形を変え、流れていくものです。その思考を簡単に信じてしまっていたら、物事の本質は見えてきません。頭に何か思考が浮かんできても、その思考から一歩引いて、良悪の価値判断(ジャッジ)をしないということが大切です。
仮に、自分が弱気な考えごとをしたとしても、それはただの思考であって自分自身の考えではないのです。そこに自分の判断が入り、「〜でなきゃいけない」「〜べき」と言った価値判断が加わった時に、自分って「メンタルが弱い」となっているんです。つまり、思考に価値判断が加わると、思考が意味を持つんです。
この流れを知っておくと、思考が頭に浮かんでも良悪の価値判断をしないで、思考から1歩引くことができます。
物事の見方をプラスとマイナスの両側から捉えることで、良悪といった価値判断ではなく、どちらもあるよねという解釈ができます。
どちらもあるよねが分かると思考から1歩引くことができるんです。
先程の私の例のように、思考に意味を持たせているのは自分自身です。価値判断は無意識の領域で行っています。自分自身がどんな価値判断を行なっているかを知るのは、自分と向き合わなければいけないので時間がかかります。だからまずは、思考が浮かんでも価値判断をせず、ただ眺めるだけの練習をするといいです。練習として効果的なのがマインドフルネス瞑想です。

4・4・8呼吸法とマインドフルネス瞑想
心理学の分野では、マインドフルネス瞑想といって「今ここ」に意識を向ける瞑想があります。
人は現在だけでなく過去や未来についても色々思考を巡らせていて、今この瞬間を十分に味わえていないと言われています。だから、「今この瞬間に意識を集中させる」ことで思考に捉われない練習が必要なんです。「今ここ」に意識を向けるためには、呼吸に意識を向ける呼吸法が効果的です。
この呼吸法ですが、近年では箱根駅伝で有名な青山学院大学が取り入れている4・4・8呼吸がTVで話題になっています。これは、ハーバード大学&ソルボンヌ大学教授の根来先生が提唱している呼吸法で、全て鼻呼吸で行います。4秒かけて息を吸い、4秒かけて息を止め、8秒かけてゆっくり息を吐くという方法です。それにより、副交感神経が優位となりリラックス効果が高いとされています。
MIND COREでも緊張した時のリラクゼーション技法として、呼吸法をお伝えしていて4・4・8呼吸と同じような理論をお伝えしています。この呼吸を意識的に行うことで、「今ここ」に意識を集中する練習を行います。また、瞑想中の頭に思考が浮かんでも、思考を価値判断(ジャッジ)せず呼吸に意識を戻すことで、思考から1歩引く練習にもなるんです。
すぐにできるわけではないので、日々の練習が不可欠ですが、やる意味と目的がわかれば継続できます。みなさんも諦めずに取り組んでみてください!!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
今後も、スポーツメンタルに関わる情報をブログで発信していきたいと思います。他のブログも是非お楽しみください!また、コーチングにご興味がある方は、体験コーチングの方にもいらしてください!お待ちしています!!
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