静岡県浜松市でスポーツメンタルコーチングをしていますマサカツです。
今回のテーマは『記録ではなく、記憶に残る選手』です。
=====================
本ブログは、育成年代のアスリートやご両親に読んでいただきたい内容です。前半は私がスポーツで一番心が動いた選手の事を書かせていただきました。R.バッジョ選手になぜ私が心動かされたのかを力説しています(笑)後半は勝敗も大事ですが、負けた経験や苦しい経験をプラスに転換する術を身につけたアスリートに、人々は心動かされるのではないかというお話です。記憶に残る選手というのは、マイナスな状況からプラスにするエネルギーを持っています。例え、結果が負けたとしても人々がその姿勢を見て、自分の姿に照らし合わせた時、記憶に残っていくんだと考えています。
※ブログの感想や質問をいただけると励みになります。皆様のコメントお持ちしております。
=====================
私がR.バッジョ選手に心が動いた理由
今回は、「記録ではなく、記憶に残る選手」について一緒に考えてみましょう!
私の自己紹介にも書きましたが、私が小学校5〜6年生の時にサッカーのアメリカW杯が開催されていて、その決勝戦を見た時に衝撃が走りました。それまでの私は、日本でJリーグが開幕し、TVでサッカーの試合が放送されても、全然楽しいと思わず、サッカーは観るものではなく、やる方が楽しいと本気で思っていました。
そんな自分の価値観がガラッと変わる出来事が、アメリカW杯の決勝戦 ブラジル VS イタリアの試合でした。私は自宅の庭でいつも通りボールを蹴って遊んでいたのですが、ふとTVを見た時にサッカーの試合がやっていました。「あれ?いつも見ているサッカーの試合とは全然違うぞ」っと感じたのです。
まず、観客の声援と選手の本気度の熱量がすごくて、ボールのさばき方、選手の連動した動き、選手個々のアイディアがめちゃくちゃ上手い!!と関心したのを覚えています。感覚としては、本物に触れた瞬間のような感じです。サッカーとは本当はこんなスポーツだったんだと思ったのを覚えています。
その中でも膝のサポーターをしながらプレーしているイタリアの10番 ロベルト・バッジョ(R.バッジョ)選手に目が行きました。解説を聞いていると、膝の手術を何度も乗り越え、身体はボロボロなのにイタリアをこの決勝の舞台まで連れてきたエースだと知りました。怪我をして痛みがある中でもサッカーをする感覚がなかった僕にとって、何でここまでサッカーに全力を注げるのか理解できず、不思議でした。ただ、今まで遊びの延長でしかサッカーに向き合っていない僕にとっては、大人の人が身体をボロボロにしてまで本気でサッカーに向き合っている姿に衝撃を受けました。
そして、決勝戦は0−0の引き分けでPK戦まで行きました。W杯決勝でPK戦にもつれ込むのも初めてのことで、少しドキドキしながらPK戦を見ていました。先行はイタリア。1人目は両チームともPK失敗で、2・3人目は両チームともPK成功、4人目をイタリアが失敗し、ブラジルが成功しました。次を決めなければ負けてしまうイタリアの5人目がR.バッジョ選手。
僕はいつも努力したり、頑張ったら努力は必ず報われると心の底に感じていたので、神様はきっとR.バッジョ選手のような名選手に味方して、ゴールを決めさせてくれるだろうと思っていました。ところが、R.バッジョ選手が蹴った瞬間にボールがゴールのはるか上を飛んでいき試合終了となりました。僕は開いた口が塞がらなくなり、「こんな展開あるー!!」と衝撃を受けました。
一生懸命努力して、全力を尽くしても負けることがあるんだ•••。
ヒーローでも負けることがあるんだ。神様こんなことあるの?とドラマチックな展開に心を揺さぶられました。だけど、PKを失敗してそこに立っていたR.バッジョ選手が「何か分からないけど、かっこいい」と思ったんです。結果は負けてしまったけど、僕には他のどの選手よりも記憶に残りました。そこから、僕のR.バッジョ選手を目指す旅が始まったのです(笑)
この「何かかっこいい」は、R.バッジョ選手の本気度が作り出したその人の雰囲気だと思っています。もちろん、あの瞬間に勝利を信じていない選手は一人もいなかったと思います。サッカー選手としてW杯でプレーできる喜びと国を代表して最後まで諦めずに自分の持てる力全てを表現していました。その純粋で清々しい気持ちを、僕は受け取ったんだと思っています。
あなたが心が動く瞬間は何ですか?
私が心が動いた瞬間があるように、あなたにも心が動いた瞬間があると思います。私は、R.バッジョ選手以外にも、サッカーの中田英寿選手、フィギアスケートの浅田真央選手、東日本大震災後に日本に希望を与えてくれたサッカー女子日本代表、ラグビーW杯での日本代表の活躍、カタールW杯で強豪ドイツ・スペインを撃破したサッカー男子日本代表、メジャー選手擁するアメリカに勝った野球のWBC日本代表や大谷翔平選手など、本当にたくさんの感動をスポーツからもらっています。
・あなたの心が動いた瞬間はなんでしょうか?
・それはなぜ動いたのでしょうか?
もちろん結果が優勝や勝利であれば、誰もが納得して気持ちが良い終わり方になると思います。しかし現実は、「努力が報われることもあるし、報われないこともある」です。勝利にこだわり、結果につながる思考と行動をマネージメントすることも凄く大事なことだと思います。それ以上に人としての成長にこだわり、成長につながる思考と行動をマネージメントすることはもっと大事です。結果はそれまでの自分の答え合わせ(フィードバック)でしかありません。
“今、この瞬間”に自分がどんな信念、哲学をもって、本気でスポーツ(人生)に打ち込んでいるか。本気で向き合ったことによって、経験から何を学んだのか。その積み重ねが人の雰囲気として、見ている人々に伝わっていくんだと思います。
成功志向から成長志向へ
人々が勇気をもらったり心が動く瞬間って、何度失敗しても立ち上がって乗り越えたり、ピンチになっても諦めなかったり、周りから批判されても自分の可能性を信じて前進したり、怖くても勇気を振り絞って立ち向かったり、マイナスなことからプラスに転換するエネルギーを感じた時に心が動くのではないかと思います。それは、みんなどんな状況でも諦めずに(前を向いて)、自分の可能性を信じたいと心の底で思っているんだと感じます。それを体現してくれるアスリートの姿勢に、自分の理想の姿を照らし合わせているのではないでしょうか。
このマイナスをプラスに転換するエネルギーは、マイナスを経験した人にしか発揮することはできません。1回の経験だけでなく、2回、3回と経験していく中で、プラスに転換する術を身につけていき、大きな舞台で花開くことがあるんです。そう考えた時に、今、負ける経験の中に自分の成長ポイントの種が必ず隠されています。今、苦しい経験をしている中に、将来自分のやるべきことの種が必ず隠されています。トップのアスリートは、順風満帆な人生ではなく、困難や逆境、課題や劣等感に向き合って今のポジションまで上り詰めています。
勝った、負けたと結果に執着するよりも、ミスや負けを受け入れ、自分の課題に真摯に向き合っていく。成長につながる行動を選択していく。自分の成長を信じて立ち向かっていく。その成長志向の姿勢が結果的に成功を呼び寄せ、人々の心を動かし、記憶に残る選手となっていくのではないかと信じています。
あなたがもし伸び悩んでいたら、現状から自分の成長ポイントの種は何かを探してみてくださいね!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
最近、コーチングをしている選手達も望んでいる結果が出ない選手や怪我や困難を乗り越えて優勝を掴んでいる選手など、私も色々考えさせてもらっています。結果も大切ですが、私が一番伝えたい「成長にフォーカスする」を気づかせてくれたアスリート達のことを本日は記事にさせてもらいました。
今後も、スポーツメンタルに関わる情報をブログで発信していきたいと思います。他のブログも是非お楽しみください!また、コーチングにご興味がある方は、体験コーチングの方にもいらしてください!お待ちしています!!
コメントをお書きください